小学6年生になると、算数の問題に対して「今までと同じようにやっているのに、なぜか合わなくなってきた」「説明を読んでいるはずなのに、何を聞かれているのか分からない」と感じる場面が増えてきます。成績の上下というより、解き進めるときの迷い方や、途中で手が止まる回数が増えることで、違和感として表れることが多い学年です。
この時期の算数は、新しい単元が急に増えるというよりも、これまで積み上げてきた内容を「まとめて使う」ことが求められます。そのため、計算自体はできるはずなのに、問題になると解けない、図や式をどう使えばよいか分からないといったズレが起こりやすくなります。
本記事では、算数が苦手かどうかを決めつけるのではなく、6年生で起こりやすいつまずき方を整理しながら、家庭でどんな視点を持って学習を見直せばよいのかを考えていきます。中学受験を意識している家庭だけでなく、日々の学習を大切にしたいと考える保護者の方にも通じる視点を意識しています。
小学6年生の算数問題が急に難しく感じられる理由
計算はできるのに問題になると止まる背景
6年生になると、単純な計算問題だけでなく、条件を読み取り、必要な計算を自分で選ぶ場面が増えます。ここで多いのが、計算力そのものよりも、「どの計算を使えばよいか」を判断する部分での迷いです。計算練習と問題演習の役割を分けて考えられていないと、このズレが表面化しやすくなります。
たとえば、分数や小数の計算自体は正確でも、文章の中でどの数値をどう扱うのかが整理できないと、式を立てる前に手が止まってしまいます。計算ができることと、問題が解けることは、6年生では明確に別の力として表れやすくなります。
「今までのやり方」が通用しなくなる瞬間
低学年から中学年までは、問題文を読んでそのまま計算に入る形でも対応できる場面が多くありました。しかし6年生では、条件が複数重なり、順序立てて整理しないと見落としが起きやすくなります。勢いで解く学習が限界を迎えるのが、この時期の特徴です。
ここでつまずくと、「集中力がない」「注意力が足りない」と捉えてしまいがちですが、実際には整理の型がまだ固まっていないだけ、というケースも少なくありません。
学年相応の問題量と処理速度の影響
6年生の算数問題は、1問あたりの情報量が増え、解答までに必要な工程も多くなります。そのため、途中の計算や書き出しが不安定だと、最後までたどり着く前に疲れてしまいます。処理の速さだけでなく、途中経過を安定させる力が求められます。
この負荷の増加に気づかないまま進めてしまうと、「時間が足りない」「最後まで解けない」という不安につながりやすくなります。
6年生で特につまずきやすい算数の考え方
条件整理が曖昧なまま式に入ってしまう
問題文に出てくる条件をすべて使う意識が弱いと、一部の情報だけで式を作ってしまうことがあります。特に割合や比を含む問題では、基準となる量を見誤ると、計算は合っていても答えがずれてしまいます。「何を基準に考えているか」を言葉で確認できるかが重要な判断軸です。
家庭学習では、答えが合ったかどうかだけでなく、どの条件をどう使ったのかを振り返る視点があるかがポイントになります。
図や式を使う目的が曖昧になりやすい
図を書く、式を書くという作業が形式的になってしまうと、問題の整理にはつながりません。6年生では、図や式は「考えを整理する道具」として使えるかどうかが問われます。とりあえず書くのではなく、何を表したいのかを意識できているかが大切です。
この意識がないまま進むと、作業量が増えるほど混乱しやすくなります。
途中式を省略する習慣の影響
これまでの学習で、暗算や省略した式で解くことが多かった場合、6年生の複雑な問題ではミスが増えやすくなります。途中の確認ができないため、どこで間違えたのかが分かりにくくなるのも特徴です。途中を残すことは遠回りではなく、安定させるための手段です。
家庭学習で見直したい学習の進め方
理解と演習を同時に進めすぎていないか
新しい考え方を理解する段階と、定着させるための練習を同時に進めると、どちらも中途半端になりやすくなります。6年生では、理解を整理する時間と、量をこなす時間を分けて考えることが効果的です。「分かったつもり」で進んでいないかを見直す視点が必要です。
間違い方から学習状況を判断する視点
答えが合わなかった問題でも、どこでつまずいたのかを見ることで、必要な見直しが見えてきます。計算ミスなのか、条件の読み落としなのかで、対応は大きく変わります。間違いを責めるのではなく、判断材料として扱えるかが重要です。
継続できる量と難度の設定
6年生の学習では、一度に多くをやろうとすると負担が大きくなります。短時間でも安定して続けられる量を設定することで、考え方の定着につながりやすくなります。無理のない継続が、結果的に理解を深めます。
なお、6年生の算数全体を整理した考え方については、以下の記事も参考になります。
小学6年生の算数は何が難しい?文字と式・比と割合・図形を家庭学習で仕上げるコツと無料プリント活用
https://chugakujuken-zero-shop.pal-fp.com/elementary-math/shougaku6nensei-sansuu-moji-hi-zukei/
過去学年とのつながりから見える6年生の位置づけ
4年生・5年生で身につけた力の使われ方
6年生の算数問題は、4年生・5年生で学んだ内容を前提として構成されています。そのため、当時は問題なく進めていた内容でも、使い方が曖昧なままだと影響が出てきます。過去の理解が「使える形」になっているかが問われます。
学年が上がるほど増える「判断」の要素
計算手順が決まっている問題よりも、どの方法を選ぶかを判断する場面が増えるのが6年生です。この判断力は、一朝一夕で身につくものではなく、日々の積み重ねが影響します。
復習の目的を「戻ること」にしない視点
過去学年の復習は、単に戻ることが目的ではなく、6年生の問題を解くために使える形に整理し直すことが大切です。今の学習とどうつながるかを意識した復習が効果的です。
学年別のつまずき方を整理した記事として、以下もあわせて参照できます。
小学5年生の算数問題が一気に難しくなる理由とは?中学受験を見据えた家庭学習の整え方
https://chugakujuken-zero-shop.pal-fp.com/elementary-math/sansu-mondai-5nensei-guide/
まとめ
小学6年生の算数問題で感じる難しさは、能力の問題というよりも、これまでの学習の使い方が変わることによる戸惑いである場合が多く見られます。計算力、理解力、思考力はそれぞれ役割が異なり、どこに負荷がかかっているのかを整理することで、学習の見直しがしやすくなります。
家庭学習では、答えの正誤だけでなく、どの段階で迷っているのかを見る視点が大切です。理解を深めることと、定着させるための演習は役割が異なるため、状況に応じて使い分けることが、6年生以降の学習を安定させる土台になります。
算数は積み重ねの教科だからこそ、今の位置を確認し、必要な部分を丁寧に整えることが、次につながる学習につながっていきます。
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