小学生の算数を見ていると、「計算はできるのに、式が書けない」「答えは合っているけれど、なぜその式になるのか説明できない」と感じる場面が少なくないと思います。
特に中学受験を意識し始めると、式を書く力の弱さが急に気になり始めるご家庭も多いのではないでしょうか。
算数における式は、単なる計算のための道具ではなく、考え方そのものを表す重要な存在です。
ここをどう理解しているかで、その後の伸び方が大きく変わると感じます。
算数で式が書けなくなる背景
答え重視の学習が先行している
家庭学習や低学年のうちは、どうしても答えが合っているかどうかに目が向きがちです。
その結果、式は後回しになり、「合っていればよいもの」として扱われてしまうことがあります。
この積み重ねが、式を書く意味を見失う原因になると考えます。
式を考え方として捉えていない
式を「計算を書くもの」とだけ理解していると、文章題で手が止まりやすくなります。
本来、式は状況を整理した結果として自然に生まれるものです。
この視点が抜けると、どの数字をどう使えばよいか分からなくなります。
文章を数量関係に置き換える経験不足
文章題では、言葉を数の関係に変換する力が求められます。
この練習が不足していると、式を書く前段階でつまずいてしまいます。
結果として、式そのものが書けない状態に見えてしまうのです。
正解しているため問題視されにくい
暗算や感覚で解けてしまう子ほど、式を書かなくても正解してしまいます。
正解しているがゆえに、式の弱さが見逃されやすい点も特徴だと思います。
中学受験段階で初めて課題として表面化するケースも多いです。
算数における式の本当の役割
考えた道筋を見える形にする
式は、頭の中で考えた流れを外に出す役割を持っています。
どの順番で、何をどう考えたかが一目で分かる点が重要です。
これは後から見直す際にも大きな助けになります。
間違いに気づくための手がかり
式が書けていれば、間違えたときに原因を探しやすくなります。
どこで数量関係を取り違えたのかが見えるためです。
答えだけの学習では、この振り返りが難しくなります。
他人に説明するための共通言語
算数の式は、自分だけでなく他人にも考えを伝える手段です。
中学受験では、途中式が評価の対象になることもあります。
式を書くことは、思考を共有する行為だと考えると分かりやすいと思います。
応用問題への橋渡し
基本問題では感覚的に解けても、応用問題では通用しません。
式を使って考える習慣がある子ほど、条件が増えても対応しやすくなります。
ここが中学受験算数との大きな分かれ道になります。
家庭でできる式の力の整え方
すぐに式を書かせようとしない
意外に思われるかもしれませんが、いきなり式を書かせる必要はありません。
まずは「どういうことが起きているか」を言葉で説明させることが大切です。
状況が整理できれば、式は自然と浮かび上がると思います。
式を日本語で読み直す
書いた式をそのままにせず、「この式は何を表しているのか」を言葉にしてみます。
これにより、数字と意味が結びつきやすくなります。
式が単なる記号の並びでなくなる瞬間です。
一つの問題を複数の式で考える
同じ答えでも、式の立て方が一通りとは限りません。
別の考え方があることを知ると、式への理解が深まります。
柔軟な思考力の土台にもなります。
計算力との関係を意識する
式を書く力と計算力は切り離せません。
計算が不安定だと、式を書くこと自体が負担になります。
計算力全体の底上げについては、
算数の計算力を家庭で底上げする完全ガイド
で詳しく整理されています。
中学受験算数と式の深い関係
途中式が思考力として評価される
中学受験では、答えだけでなく考え方が重視されます。
途中式は、そのまま思考力の証拠になります。
式が整理されている子ほど、部分点を取りやすい傾向があります。
条件整理の道具としての式
受験算数では、条件が複雑に絡み合います。
式を使って条件を整理できるかどうかが、解けるかどうかを左右します。
式は単なる計算ではなく、整理の道具だと感じます。
図や表と式の連動
線分図や表と式を結びつけて考える問題も増えてきます。
図で理解し、式で確認するという往復ができると、理解が安定します。
この力は一朝一夕では身につきません。
式を書く力を育てる家庭の姿勢
正解より過程に目を向ける
答えが合っていても、「どう考えたのか」を確認する姿勢が大切です。
過程に注目されることで、子どもも式を書く意味を感じやすくなります。
結果として、思考が丁寧になります。
間違いを前向きに扱う
式の間違いは、考え方を見直すチャンスです。
間違えた式こそ、成長の材料だと捉えたいところです。
修正する経験が力になります。
長期的な視点で見守る
式を書く力は、短期間では身につきません。
低学年では不十分に見えても、積み重ねが後で効いてきます。
焦らず、考え方の定着を優先することが大切だと思います。
まとめ
算数における式は、計算のためだけのものではありません。
考え方を整理し、伝え、振り返るための重要な役割を担っています。
中学受験を見据えるなら、早い段階から式を大切にする姿勢を育てたいところです。
家庭での声かけや関わり方次第で、式への向き合い方は大きく変わると考えます。
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