中学受験に効く「算数公式」整理術|面積・体積・割合・速さ・平均を家庭で使いこなす完全ガイド

算数の「公式」は、ただ丸暗記するための語句ではなく、量と量の関係を一言で表す「道具」だと感じます。とはいえ、道具は出す順番と使い分けが大切で、ここが曖昧だと覚えたのに得点に結びつかないことが多いと思います。

この記事では、保護者の視点で家庭で今日から再現できる整理法と練習手順をまとめました。面積・体積・割合・速さ・平均の頻出「公式」を、図→言葉→式の順で自然と使えるように設計します。


算数の「公式」とは何か—覚える順番と使い分け

公式の正体と範囲

「公式」は定義+性質+単位の約束のショートカットだと思います。例えば「面積=たて×よこ」は、長方形という条件平方単位の約束を含みます。条件が違えば式も変わるので、最初に「何の話か」を言えるかが分かれ目になります。

暗記より「言いかえ」

丸暗記より、「1あたり量×いくつ分」のような言いかえを家で口にするのが近道です。式に行く前に、図やテープ図で場面を一言説明できると、誤用がほぼ消えると感じます。

覚えすぎの落とし穴

「表を全部覚える」は効率が悪いです。使用頻度×汎用性優先度を決めると無理がありません。たとえば割合・速さ・面積が先、特殊図形の周辺公式は後で十分です。

家庭での管理法

A4一枚の「公式カード」を作り、週替わりで貼る位置を変えると記憶が固定します。「言葉→式→単位」を縦に並べるだけでも、子どもが式の根拠を説明しやすくなります。


図形の「公式」を得点化—面積・体積・単位がズレない型

面積の基本(長方形・三角形・平行四辺形・台形・円)

長方形:面積=たて×よこ平行四辺形:底辺×高さ三角形:底辺×高さ÷2台形:(上底+下底)×高さ÷2円:半径×半径×円周率。ここでの高さは底辺に垂直、円周率は「3.14」など、条件と言葉を先に確認します。図に高さを赤で一本引くだけで、迷いが激減します。

※面積は単元横断の要。より詳しい分解や複合図形のコツは次の記事が参考になります。
算数の「面積」を家庭で伸ばす完全ガイド——公式・単位換算・複合図形・面積比まで一気通貫
https://chugakujuken-zero-shop.pal-fp.com/unit-study-math/sansuu-menseki-home-guide/

複合図形は「分解→再構成」

公式の前に切って並べ直すが基本です。「同じ高さにそろえる」視点を共有すると、平行四辺形や台形に自然と接続します。求積の順番を声に出すと、途中式の脱落を防げます。

体積の基本(直方体・立方体・円柱)

直方体:体積=たて×よこ×高さ立方体:一辺×一辺×一辺。円柱は底面積×高さで、底面積は半径×半径×円周率です。体積は立方単位で、1m³=1000Lなど生活単位への橋渡しが理解を深くします。

単位換算のコツ(平方・立方)

1m=100cmそのまま二乗・三乗します。1m²=10000cm²1m³=1000000cm³。「長さの換算をしてから面積・体積」の順で式を立てると、ケタ間違いを予防できます。


数量関係の「公式」—割合・平均・速さを一本化

割合(もとにする数×割合=くらべる量)

「割合」は「比べる基準」を決める学びです。くらべる量=もとにする数×割合もとにする数=くらべる量÷割合割合=くらべる量÷もとにする数言葉の順で式が決まるので、単位メモ(円・人・%)を式の左に添えるとミスが減ると思います。食塩水は食塩の量=濃度×水溶液の量で同型です。

速さ(道のり=速さ×時間)

道のり・速さ・時間線分図が最強だと感じます。「1あたり量×いくつ分」=速さ×時間の形で言い直し、単位のそろえ(km/h⇄m/s)を先に済ませます。比の見方(2倍なら2倍)を口にすると、暗算力が伸びます。

平均(総和÷個数)

平均=全部でいくつ分を均等に分けた数平均×個数=総和の往復をさせると、逆算の取りこぼしが減ります。テストでは、「何の平均か」(点数・長さ・重さ)を一言書く習慣が効きます。

つまずきやすい理由と対処

割合は基準の取り違え、速さは単位の混在、平均は総和の数え漏れが典型です。根本の直し方は次の記事が具体的でした。

「算数ができない子」の特徴と理由|親が家庭でできる効果的なサポート法
https://chugakujuken-zero-shop.pal-fp.com/math-struggles/sansuu-dekinaiko/


計算の土台を整える—分数・小数・比の「公式的手順」

分数(約分・通分・四則計算)

約分=分子・分母を同じ数で割る通分=同じ大きさにそろえるたし算・ひき算は通分→計算→約分かけ算は分母と分子の約分→かけるわり算は逆数にしてかける分数は比例の言いかえなので、図で同じ大きさに合わせる意識を添えます。

より詳しい運用は次の記事に体系化されています。
算数の「分数」を家庭で伸ばす完全ガイド|約分・通分・四則計算から小数・割合まで
https://chugakujuken-zero-shop.pal-fp.com/unit-study-math/sansuu-bunsuu-home-guide/

小数×整数の基本

小数点を動かすのではなく、位をずらすと説明すると腑に落ちます。(小数×10や100で整数化→計算→元に戻す)の流れを同じ型で繰り返すと、筆算の位ズレが止まります。

比の基本

a:b=c:dの関係は比例の言葉です。外項の積=内項の積の前に、「どちらを基準に何倍か」を言わせます。同率の倍数処理でそろえる練習を入れると、割合・速さへの接続が滑らかです。

「公式」を混ぜる練習

図形で面積と割合が出会う、速さで平均と比が出会うなど、2公式の接続週1回のミニテストで混ぜます。「どの公式を使うか」の選択得点差の源だと思います。


家庭での回し方—覚え方・練習量・再発防止

1日10分のルーティン

①音読(言葉→式→単位)2分、②図で1問2分、③基礎計算4分、④文章題2分短時間×高頻度にすると、忘却曲線に逆らわず積み上がります。声に出すは想像以上に効きます。

ミスの可視化(原因タグ)

ノートに「単位」「基準」「位」「図」などの原因タグを付け、同型3問だけ追試原因→再テストのサイクルで、同じミスの連発が止まります。再発防止こそ最大の時短だと思います。

選択チャートを壁に

「図形?→面積?体積?→高さは垂直?→単位は平方・立方?」のように、Yes/Noで公式が決まる小さなチャートを貼ると、自力での公式選択が進みます。家庭でも自走しやすくなります。

模試・入試での説明力

答え+一言根拠(例:「高さは底辺に垂直なので」)を書く練習を普段から。「式だけの正解」を避け、採点者に伝わる紙面を目指すのが、最後の伸びにつながります。


まとめ

公式は「量と量の関係」を素早く取り出すための道具です。図→言葉→式の順に扱い、面積・体積・割合・速さ・平均同じ見取り図で再整理すると、誤用が減って説明力が育つと思います。A4の公式カード原因タグによる再テスト短時間×高頻度の運用で、覚える→使う→説明するのサイクルを家庭で回していきましょう。

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