6年生の算数で「文字と式」に入った瞬間、急に「算数っぽくない」と感じるご家庭は多いと思います。たし算・ひき算のように答えがすぐ出る話ではなく、文字を使って数量の関係を表すので、子どもが戸惑いやすい単元です。
ただ、ここは中学受験を考えるなら避けて通れない土台でもあります。式を立てる力は、割合・図形・速さなどの文章題にもつながるので、早めに「わかる形」にしておきたいところです。この記事では、家庭学習で押さえたいポイントを、できるだけ具体的に整理します。
6年生で「文字と式」が難しく感じる3つの理由
答えより先に「関係」を書く必要がある
これまでの算数は、数字を計算して答えを出す場面が多かったと思います。ところが文字と式では、いきなり答えに飛ばず、数量の関係を式で表すことが中心になります。子どもにとっては「いつ計算するの?」となりやすく、手が止まりがちです。
まずは、式は答えそのものではなく、状況を説明する「メモ」だと捉え直すとスムーズになります。
文字が「未知数」ではなく「変わる量」になる
小学校の段階では、文字は「わからない数」を表すだけでなく、いろいろ変わる数量として使うことがあります。たとえば「1こがa円の消しゴムを3こ買う」といった形です。ここで「aは何?」と1つの数に決めたくなり、混乱する子がいます。
文字は「まだ決めない」ことで便利になる、と丁寧に体験させたいです。
文章を読み取る力がそのまま点数差になる
文字と式は、計算力だけでは押し切れません。場面を読んで、必要な数量を選び、関係をつかむ必要があります。つまり、文章題が苦手な子ほど難しく感じやすい単元です。
逆に言うと、読み取りの型ができると安定します。
最初に固めたい基本:文字の意味・式の読み方・単位
「a」「x」は「箱」ではなく「ラベル」だと考える
低学年の算数では、□に数字を入れる練習をしてきたと思います。ここでの文字も似ていますが、文字は箱というより、数量につける名前として捉えると理解しやすいです。たとえば「1本の長さをa cm」と決めると、aは「長さの名前」になります。
この感覚があると、文章題で文字を置くことへの抵抗が減ります。
式は「読み上げられる形」にする
式が苦手な子は、式を見ても言葉に戻せないことが多いです。たとえば「3a」を「aが3こ分」と読めるかどうかで理解が変わります。式を声に出して読める状態にすると、ミスが減りやすいと思います。
家庭では、式を作ったら一度「日本語に言い換える」習慣が効果的です。
単位が消えると一気に崩れる
文字と式は、単位が見えなくなる瞬間に混乱しやすいです。たとえば「a円」「b人」「t分」など、文字にも単位がくっついていると確認するだけで、式の意味が取りやすくなります。
式の横に小さく単位を書くだけでも、理解の支えになります。
「等号=」は「同じ」の記号だと徹底する
等号を「答えが出る合図」だと思っている子は少なくありません。文字と式では、等号は左と右が同じ量であることを表します。ここが曖昧だと、式変形や立式でズレが出やすいです。
「=の両側を読み上げて、同じ意味か確かめる」練習が効きます。
文章題を式に直す手順:場面→数量→関係
最初に「登場する数量」を箇条書きにする
文章題は、いきなり式を作ろうとすると失敗しやすいです。まずは、出てくる数量を拾って、短く並べるのが安全だと思います。金額・個数・時間・長さなど、何が出たかを見える化します。
これだけで、読み落としや勘違いが減りやすいです。
文字を置くのは「まだ決まっていない量」か「まとめたい量」
文字を置く対象は、何でもいいわけではありません。文章の中心になる量、または後で計算しやすくしたい量に置くとスッキリします。文字を置いたら、その文字が何の数量か一言で説明できる状態が理想です。
説明できない場合は、置き方がズレている可能性があります。
「1あたり」と「何こ分」をセットで捉える
小学校の文章題では「1こa円」「1mあたりb円」「1分でc m進む」などが頻出です。ここは1あたり×何こ分の形に整理すると、式が安定します。たとえば「3こ分」「5m分」のように「分」を意識すると、掛け算の意味が明確になります。
この型は、後で割合や速さにもつながります。
式を立てたら「現実の場面」に戻してチェックする
立式のミスは、計算前に気づけることが多いです。式を見て「この式だと何を表している?」と確認し、文章の場面に合うかを見ます。式→言葉→場面の往復ができると、正答率が上がりやすいです。
家庭学習では、このチェックを親が一緒にやるだけでも効果が出ます。
つまずきやすいポイント別の対策(分数・面積・時間など)
分数や小数が混ざると式の意味が見えにくい
文字と式そのものというより、分数・小数が混ざった瞬間に難しくなることがあります。数が複雑だと、子どもは式の意味を考える余裕がなくなりがちです。ここは、まず文字を含む式の形を固めてから数を入れる順番にすると落ち着きます。
代入の練習は「形→数字」の順が向いていると思います。
面積の公式は「丸暗記」より「何倍になっているか」
平行四辺形や三角形の面積は、公式だけ覚えても応用で崩れやすいです。文字と式では、底辺や高さをa、bと置いて面積を表す場面が出ます。なぜ1/2になるのか、どこを動かすと長方形になるのかを図で確認すると、式の意味がつながります。
図形が絡むときほど、図と言葉のセットが重要です。
時間の問題は「単位の統一」を最優先にする
時間は、分と秒、時と分が混ざりやすく、式を立てる前に崩れやすいです。文字を使うなら、t分などと決めて、単位をそろえてから式にするのが安全です。式が合っているのに答えが違うときは、単位が原因のことが多いと思います。
家庭学習では、最初の一行に「単位をそろえる」と書かせるのも手です。
「式は作れたのに間違う」子は見直しの観点が不足しがち
式が立っているのに不正解になる場合、計算ミスだけでなく、意味の取り違えが隠れていることがあります。たとえば「合計」なのに「差」を出していた、などです。求めるものを最後にもう一度言葉で書くと、ズレに気づきやすくなります。
ここは地味ですが、積み上げが効く部分です。
家庭学習の進め方:自学ノート・プリント活用・次の単元へのつなげ方
自学ノートは「例題→式の読み上げ→自作の小問題」の順にする
ノート学習は、ただ解くだけだと定着しにくいことがあります。おすすめは、例題を1つ写す→式を言葉に直す→数字を変えて自分で小問題を作る流れです。式の意味を自分の言葉で説明する工程が入ると、理解が深まりやすいです。
このやり方なら短時間でも濃い学習になります。
プリントは「同じ型を反復」できるものを選ぶ
文字と式は、いろいろな問題を広くやるより、同じ型を何度も反復する方が力がつきやすいです。たとえば「1あたり×何こ分」や「面積=底辺×高さ÷2」のように、型を固定して練習します。プリントは「新しい刺激」より「反復しやすさ」を優先すると失敗しにくいと思います。
無料教材を使う場合も、難しすぎる応用より基本の反復が向きます。
文字と式は「割合」「比」「図形の応用」への入口になる
この単元ができると、文章題で式を立てるスピードが上がり、他単元の学習が楽になります。特に中学受験では、比や割合、図形の応用で「関係を式で整理する力」が効いてきます。6年生の算数全体の見通しや、比と割合・図形まで含めた家庭学習の進め方は、次の記事でまとめています。
小学6年生の算数は何が難しい?文字と式・比と割合・図形を家庭学習で仕上げるコツと無料プリント活用
「できた実感」を作るために、週1でミニテスト化する
家庭学習は、やった気になるのに伸びない時期が出やすいです。週に1回、5分で終わるミニテストを作って、同じ型の問題を3問だけ解くのがおすすめです。短い時間で正解できる経験が積み上がると、単元への抵抗感が下がりやすいです。
間違えたら解き直しより先に「どの数量を取り違えたか」を確認すると、改善が早いです。
まとめ
6年生の算数の文字と式は、計算の速さよりも、数量の関係を読み取り、式で表す力が問われる単元です。難しく感じやすいのは自然ですが、文字を「数量の名前」として扱い、式を言葉に戻す練習を入れるだけで理解が安定しやすいと思います。
文章題は、場面→数量→関係の順で整理し、式ができたら言葉と場面に戻してチェックするのが王道です。家庭学習では、同じ型の反復・単位の意識・短いミニテストで「できた実感」を積み上げると、次の割合や図形にもつながっていきます。
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