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算数の規則性を見抜く3つの視点

「規則性」って、分かったつもりでも点につながりにくい単元だと感じます。子どもが嫌がるのも、ただ難しいからというより、「どこを見ればいいか」がつかめないまま進んでしまうことが多いからです。数が並んでいたり、図形が増えていたり、表が出てきたり。見た目がバラバラなので、同じ仲間の問題だと気づけないまま、毎回その場しのぎになりやすいんですよね。

一方で、規則性は「才能」ではなく「見方」の問題でもあります。見方が整うと、初見の問題でも落ち着いて取り組めるようになり、他の単元(場合の数、速さ、図形など)にもつながっていきます。この記事では、家庭で見直しやすいように、規則性の問題を前にしたときの「最初の一手」を整理します。説明だけで理解が進む部分は丁寧に触れつつ、演習量が必要になる場面では、記事だけで完結しない可能性にも自然に触れていきます。

算数の「規則性」でつまずくのはなぜ?

「規則性=数列」だと思い込みやすい

規則性の入り口で多いのが、「数字が並んでいる問題=数列」と決めつけてしまうことです。たしかに数列は規則性の代表ですが、規則性はもっと広い範囲を指します。図形の個数が増える、表の縦横に関係がある、周期的にくり返す、ある条件で増え方が変わる。こうしたものもすべて規則性です。

ここで大事なのは、「何が変化しているか」を先に押さえることです。数が変化しているのか、位置が変化しているのか、図形の数が変化しているのか。変化の対象を決めずに数字だけ追いかけると、「差を取る」「比を見る」といった操作だけが先行して、合わない型に無理やり当てはめてしまいます。結果として、途中で崩れたり、たまたま合ったように見えて再現できなかったりします。

保護者目線では「うちの子、規則性が苦手」と一言でまとめがちですが、実は「苦手の中身」が違います。数列の見抜きが弱いのか、表の読み取りが弱いのか、図形の増え方を言葉にできないのか。まず「規則性=数列だけではない」と知っておくと、原因の切り分けがしやすくなります。

「当てはめ」で答えが出ても、次で崩れる

規則性の問題は、少ない情報から推測して進める場面が多いので、子どもが「当てはめ」に走りやすい単元です。例えば、並んだ数を見て「たぶん+2ずつ」と決めて計算してみる。合えば正解に見えますし、スピードも出ます。でも、このやり方は、条件が少し変わっただけで崩れます。

崩れやすい理由はシンプルで、規則を「説明できる形」にしていないからです。規則性は、「なぜその増え方になるのか」を説明できて初めて強くなる単元です。説明できるとは、言葉でも式でも図でもよくて、「見え方」が一本に通っている状態です。逆に、当てはめだけで進んだ場合、途中の検算も弱くなり、間違っていても気づきにくくなります。

家庭で見ていると、「合ってたのに次はできない」が起きがちですが、それは子どもが悪いというより、当てはめが「通用しそうな見た目」の問題が多いからです。ここを「説明する練習」に寄せるだけで、同じ演習量でも定着の質が変わります。

規則を見つける前に、情報整理で止まる

規則性が苦手な子は、規則そのものより前に、問題の情報整理で止まることが多いです。図が複雑、表が大きい、文章が長い。すると、何をメモすればいいか分からず、頭の中で処理しようとして混乱します。結果として、規則を見つける以前に疲れてしまい、嫌な気持ちが残ります。

この段階で必要なのは、難しいテクニックより、「整理する器」を決めることです。表にするのか、図に番号を振るのか、1回ずつ増えた分を線で囲うのか。「器」が決まっていないと、毎回ゼロから考えることになり、規則性が「運ゲー」になってしまいます。

保護者としては、正解にたどり着くまでの途中を見て、「どこで止まっているか」を観察するとヒントが出ます。計算で止まるのか、書き写しで止まるのか、どの列を見るかで止まるのか。規則性は、実は「整理の力」を映す鏡でもあります。

規則性を見抜く3つの視点

視点1:変化しているものを1つに決める

規則性の問題に入ったら、まず「何が変化しているか」を1つに決めます。数が増えるのか、点が増えるのか、周りの長さが増えるのか、マス目の数が増えるのか。ここが定まると、追いかける対象が絞られ、情報が急に整理されます。

例えば図形の規則性では、「図形そのもの」を追いかけるより、「増えた部分」を追いかけたほうが見通しが立つことが多いです。「全体」ではなく「差分」に注目すると、増え方が言葉にしやすくなります。表の問題でも同じで、表全体を眺めるのではなく、「この列は何を表している?」と列の意味を固定すると、規則が見えやすくなります。

家庭でできる声かけとしては、「今増えているのは何?」が有効です。正解を教えるより、この問いを繰り返すことで、子どもの「見始める場所」が安定します。規則性は、見る場所が定まるだけで難易度が下がります。

視点2:小さいところで確かめてから広げる

規則性は「大きい数」に飛ぶほど不安になります。だからこそ、いきなり求めたい番目に飛ばずに、小さいところで規則を確かめます。例えば1番目、2番目、3番目の変化を丁寧に並べ、「増えた量」「増えた理由」を一致させます。

このとき大切なのは、「確認のための作業」を惜しまないことです。小さいところを丁寧に追うのは遠回りに見えますが、規則性では近道です。途中の確認が甘いと、後半で大きく崩れ、結局やり直しになります。特に「2段階で増える」「交互に増える」「周期でくり返す」といったタイプは、小さいところを丁寧に見ないと見抜けません。

保護者としては、子どもが最初から式を作ろうとしたり、いきなり大きな番目を計算しようとしたりする場合、「まず3つ分だけ作ってみよう」と促すだけで流れが変わります。規則性は、急がせるほど「当てはめ」に寄りやすい単元です。

視点3:言葉→図→式の順に「一般化」する

規則性が得意な子は、頭の中で自然に一般化しています。でも、多くの子はそこが飛び級になります。そこでおすすめしたいのが、「言葉→図→式」の順で一般化を作ることです。最初は言葉で「1回増えると、ここが2つ増える」などと説明できれば十分です。次に図で、増える部分を囲ったり、同じまとまりを繰り返しとして見せたりします。その上で式に落とします。

ここでのポイントは、式は「最後のまとめ」だということです。式から始めると、意味が空洞になります。言葉と図が先にあると、式の1つ1つに意味が宿り、検算もしやすくなります。特に「n番目」という表現が出てくる問題は、式の意味が分からないまま暗記すると、別タイプの規則性に応用できません。

家庭での判断軸としては、子どもに「増え方を説明して」と聞いたとき、式だけを言うか、理由まで言えるかを見ると分かりやすいです。理由まで言えるようになってきたら、規則性は確実に伸びています。

よく出るタイプ別に「考え方の芯」を作る

数の規則:差を見る前に「増え方の単位」をそろえる

数が並ぶ問題では、差を取るのは定番ですが、差を取る前に「増え方の単位」をそろえる意識が大切です。例えば、1つずつ増えているのか、2つずつ増えているのか、飛び飛びで見ているのか。単位がそろっていないまま差を取ると、意味のない差になり、迷子になります。

また、数の規則は「足し算型」に見えて、実は「まとまり型」になっていることもあります。例えば、3つで1セット、5つで1セットのように、一定のまとまりで増え方が変わるタイプです。こうした問題では、「どこで区切れるか」を先に探すと整理が進みます。区切りが見えれば、周期性として扱える場合もありますし、交互の規則として扱える場合もあります。

子どもが差を取ってうまくいかないときは、差の計算そのものより、「どの並びを見て差を取った?」を確認すると原因が見えます。規則性は、操作より「見方の前提」がズレていることが多いからです。

図形の規則:増えた部分を固定して数える

図形の規則性は、全体を追うより「増えた部分」を固定して数えるほうが安定します。例えば、1回増えるたびに棒が何本増えるのか、点が何個増えるのか、周りの長さがどれだけ増えるのか。増えた部分を毎回同じ視点で捉えると、規則が言葉になりやすくなります。

ここでありがちなつまずきは、図をきれいに描こうとして時間が溶けることです。図形の規則性で必要なのは芸術性ではなく、増え方が分かる最低限の図です。「増え方が見えれば線が雑でもいい」と割り切ると、手が動きます。逆に、丁寧に描こうとすると、途中で疲れて規則を見る余力がなくなります。

また、図形の規則性は面積や周りの長さの公式ともつながります。図形のルールが見えたら、公式を当てはめるだけではなく、「なぜその式になるか」を図で確認すると強くなります。面積の基本を家庭で整理しておくと、図形の規則性にも効いてきます。

このあたりの「公式の使いどころ」を整理したい場合は、先に全体像をまとめた記事があると助かります。家庭での整理用に、こちらも参考になります。

中学受験に効く「算数 公式」整理術|面積・体積・割合・速さ・平均を家庭で使いこなす完全ガイド
https://chugakujuken-zero-shop.pal-fp.com/math-strategies/sansuu-koushiki-home-guide/

表・周期:縦横を全部見る前に「役割」を決める

表が出てくる規則性は、視線が迷いやすいタイプです。縦を見るのか、横を見るのか、斜めを見るのか。ここで最初にやりたいのが、表の「役割」を決めることです。例えば、左端は回数、上段は増えた量、右端は合計、のように、列と行に意味をつけます。

役割が決まると、「どこに規則があるか」を探しやすくなります。表の規則性は、実は「算数の文章題の整理力」とも直結しています。途中式がぐちゃぐちゃになりやすい子ほど、表の役割が定まらず、必要な情報が散らばります。「表は計算のためのメモ」だと捉えると、埋め方が安定します。

周期性(くり返し)では、「何個で1セットか」を見抜くことが鍵です。曜日、色、形、動きなどが周期で回る問題は、セットの長さが分かれば、あとは割り算で位置が決まります。ただし、セットの長さを見誤ると全滅するので、小さいところでの確認が大切です。家庭では「3つ分だけ並べてみる」「2セット分作ってみる」など、確かめる手順を習慣にしておくと崩れにくくなります。

家庭学習で「規則性」を強くする整え方

まずは到達ラインを決める:学校の安定か、受験まで見据えるか

規則性は伸ばし方がいくつかありますが、最初に整理しておきたいのは「どこまでを目標にするか」です。学校のテストで安定させたいのか、受験問題まで見据えるのかで、必要な深さが変わります。どちらが正しいという話ではなく、目的が違うだけです。

学校の範囲では、規則を言葉で説明できる、次に来るものを予想できる、表にして整理できる、といった力が中心になります。受験まで視野に入れると、そこに「n番目」「一般化」「式で表す」「別単元と組み合わせる」が加わります。「今の学年」より「今の目的」で決めると、家庭で迷いにくくなります。

保護者としては、焦りが出ると「全部やらなきゃ」となりがちですが、規則性は演習量も必要な単元なので、無理に広げるほど消耗します。目的に合わせて、まず「土台の型」を固めるほうが結果的に早いです。

「解けた・解けない」より、途中の型をチェックする

家庭で規則性を見るとき、答えが合っているかだけで判断すると、伸びが読みにくくなります。規則性は、当てはめで偶然合うこともありますし、途中の整理ができていても計算ミスで落ちることもあります。そこで見たいのが「途中の型」です。

例えば、図形なら増えた部分が毎回同じ見方で囲えているか。表なら列の意味が固定できているか。数の並びなら、差や区切りを試す順番が定まっているか。ここが整っていると、点数はあとからついてきます。「再現できる手順になっているか」が判断軸です。

逆に、答えは合っているのに途中が飛んでいる場合は要注意です。次に似た問題が出たとき、再現できずに崩れやすいからです。家庭では、正解の丸より、「どう考えた?」を短く聞くだけでも、型が育ちます。

理解が進んだら、最後は演習で「反射」にする

規則性は、理解だけで終わりにすると不安定になりやすい単元です。見方が分かってきても、問題の見た目が変わると手が止まります。だからこそ、理解が進んだ段階で、演習を通して「反射」に近づける必要があります。反射というのは、問題を見た瞬間に「まずここを見よう」が自然に出る状態です。

ここで大事なのは、量を増やす前に「類題の幅」を意識することです。数の規則でも、等差だけでなく交互や2段階を混ぜる。図形でも、点の増え方だけでなく周りの長さや面積に広げる。表でも、縦横だけでなく周期に接続する。同じ型を「見た目違い」で練習すると、初見耐性が上がります。

ただ、家庭だけで演習量を確保するのが難しい時期もあります。忙しい時期や、親が毎回チェックできない時期は、解説がついたプリントや、同じ狙いで反復できる教材があると、継続がしやすくなります。記事で理解が進んだあとは、無理のない形で「繰り返す仕組み」を作れるかが鍵になります。

また、規則性は単元をまたいで力が積み上がるので、学校の学び方そのものを見直すのも有効です。どこまで学校で扱うのか、家庭で何を補うのかを整理したい場合は、学習内容の読み解き方をまとめた記事も参考になります。

算数学習指導要領の解説をやさしく読み解く|家庭学習と中学受験に活かすポイント整理
https://chugakujuken-zero-shop.pal-fp.com/elementary-math/sansuu-gakushushidoyoryo-kaisetsu-yomikata/

まとめ

算数の規則性は、難しいから苦手になるというより、「どこを見ればいいか」が定まらないまま進んでしまうことで不安定になりやすい単元です。数の並び、図形、表、周期と見た目が変わるぶん、毎回その場しのぎの当てはめに寄ると、次で崩れます。

伸ばすための核は、変化しているものを1つに決めること、小さいところで確かめてから広げること、言葉→図→式の順に一般化することでした。さらに、家庭学習では「どこまでを目標にするか」を先に決め、答えだけでなく途中の型が再現できているかを見ると、必要な手当てが見えやすくなります。

理解が進んだ後は、最後に演習で反射に近づける段階が必要になります。記事で整理した見方を軸に、類題の幅を少しずつ広げながら、無理のない形で繰り返す仕組みを作れると、規則性は確実に強くなっていきます。

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