算数の単位が苦手な子へ。家庭でできる単位の覚え方・変換のコツと学年別のつまずき対策

子どもが算数でつまずく単元のひとつに「単位」があります。長さ、重さ、面積、体積、時間……日常でもよく使うにもかかわらず、「覚えられない」「変換ができない」と感じている子は少なくありません。そこでこの記事では、「算数 単位」の学習が難しい理由や、家庭でできるサポート方法を学年別に整理し、さらに、理解を深める工夫やコツについても紹介します。

長さ・重さ・時間など、基本の単位を整理しよう

単位学習の基本は、まず「何を測るための単位なのか」を明確に理解することです。たとえば、長さを測るにはメートル(m)、重さにはグラム(g)、時間には秒(s)といった具合です。

長さの単位とは何か?

長さは、空間的な広がりを測る尺度です。基本単位はメートル(m)であり、センチメートル(cm)やミリメートル(mm)などがその倍数・約分単位として使われます。学校では1000mm=1m、100cm=1mなどの換算を通じて単位変換を学びます。

重さの単位とは何か?

重さ(質量)を測るにはグラム(g)が使われます。1000g=1kgといった単位の関係を覚えるだけでなく、「1kgがどれくらいの重さか」を体感することが理解を助けます。家やスーパーで1kgのお米や水を持たせてみると、具体的な感覚がつかめるでしょう。

時間の単位とは何か?

時間は秒・分・時(hour)で表します。60秒=1分、60分=1時間という単位の関係は覚えにくく、多くの子が混乱します。アナログ時計を使った練習や、日常のスケジュールを時計と照らし合わせると理解が深まります。

学年別:算数の単位でつまずきやすいポイントと対策

小学生が学ぶ算数の単位(長さ・かさ・重さ・時間・面積・体積)まとめ

単位の理解は学年が進むにつれて複雑になります。各学年でどのような内容が登場し、どこでつまずきやすいかを見ていきましょう。

2年生:長さ・時間・かさのはじめの一歩

2年生では「cm」「mm」「dL」などの新しい単位が登場します。ここでは、単位の言葉自体が初めてなので、混乱しがちです。「cmの方が大きいの?」「dLって飲み物の単位?」という子も。

対応策としては、実物を使うことが非常に有効です。例えば、30cmものさしを使って自宅の家具を測ったり、計量カップでジュースを注いで「200mLってこのくらいだよ」と見せたりすると、感覚がつかめてきます。

3年生:重さ・時間・単位変換の基本

3年生では、kgやgなどの重さの単位や、「1分=60秒」「1時間=60分」など時間の換算が登場します。暗記に頼りすぎると、「なぜ60?」と混乱することもあります。

ここでは、「1kgって何か」を実感させることが大切です。スーパーで実物を持たせたり、料理のお手伝いで計量器を使わせたりすると、単位が数字ではなく「感覚」として身につきます。

4年生:面積・体積の考え方が加わる

この学年で初めて面積(平方センチメートル、平方メートル)体積(立方センチメートル)といった抽象度の高い単位が登場します。式ではcm²やcm³といった見慣れない表記も増え、戸惑う子も多いです。

ここでは、実際にタイルやブロックを使って「1cm²」「1cm³」の実体を見せるのがおすすめです。視覚的に理解させることで、抽象的な単位もイメージしやすくなります。

5年生:割合や速さとの関係も

5年生になると、「1㎡=10,000㎠」「1L=1000㎤」など、複雑な単位換算が増えてきます。また、速さ(km/h)や密度など、単位を含んだ計算も始まります。

この時期は、「単位をそろえる」という概念を教えることが肝心です。cmとmが混在している問題をわざと用意し、「まず単位をそろえよう」と指導するとよいでしょう。

6年生:中学受験でも頻出の単位応用

6年生では、中学受験を意識した単位の応用問題が出てきます。「1㎥=1000L」や「速さ×時間=距離」など、単位が絡む式が苦手な子も増えてきます。

過去問を使って練習することも大切ですが、まずは単位と式の意味の整理が先決です。単位のついた式の各要素を日本語で言い換えてみる(「速さって何?」「時間って何のこと?」)だけでも理解が進みます。

家庭でできる!単位の覚え方と練習方法

単位は、単純に覚えるだけでは定着しません。生活と結びつけながら、意味とセットで理解させることが大切です。

語呂合わせ・リズムで覚える

「1000g=1kg」は「せんグラムがいちキロ!」など、リズムをつけると覚えやすくなります。歌やカードを使った工夫も効果的です。

絵や図、表を使って視覚化する

単位の表や換算表を壁に貼るのも良い方法です。子どもの目に入りやすい場所に、身長計のような「長さ表」や、「1L=1000mL」の絵を描いたポスターを貼っておくと、自然に覚えていきます。

体験を通じた理解を

重さやかさ、長さなどは、日常生活での体験と結びつけることがもっとも効果的です。料理や買い物などを学習のチャンスとして活用しましょう。

まとめ

「算数 単位」は、どの学年でもつまずきやすく、しかも中学受験でも高頻出の重要単元です。単位はただの「知識」ではなく、「体感」とセットで理解することで初めて定着します。家庭では、視覚・体験・リズム・実生活をキーワードに、子どもの単位理解をサポートしていきたいですね。